担当:近藤・岡久
コミュニケーションは、人間にとって生活のあらゆる面に関わる重要な現象である。
さまざまな視点からその分析が可能であり、関係する学問分野は幅広い。
しかし、それゆえにかえって考察の対象としてはどの領域でもあまり主流ではない。
今回のディスカッションでは、
心理学と言語学の立場からコミュニケーションについて考える。
まず、各分野内での位置付けを意識しつつ講義内容を簡単に復習した後、
それぞれのコミュニケーション観を述べ、質疑応答につなげる。
また、これらの討論を通じて、
学問における「主流」とは、そうではない立場から研究することの意味とは何か、
といったことについても考える。
(文責・司会:須田)
今回のディスカッションは表向きのテーマをコミュニケーションに設定しましたが、
終わってみるとやはり印象に残ったのは
その業界での立場をめぐるやり取りだったように思います。
研究とは人間が行うものですから、やはりそこには人間臭いあれこれがあります。
研究の方法から対象まで、意見をたがえる可能性のある要素は多々あり、
研究者によって見解が違います。
そして、何を選択するかは必ずしも無私の態度で決められるものではなく、
結構感情的な、政治的なにおいのするものなのです。
また、量的研究と質的研究の関係をめぐって、
様々な分野の院生が自分のところではどうなのかを話した一幕がありました。
やはり何をどう扱うのかによって事情は異なり、
研究といってもひとくくりにはできないということを実感できたのではないかと思います。
このような「舞台裏」に属する事柄はなかなか公式の場では聞けない、
総人のミカタのような場でないと知る機会の少ないものだと思います。
もちろん毎度毎度そのような話ばかりするわけではないですが、
今後とも、こうしたある意味リアルな事情も伝えていければいいなと思います。
(文責:須田)