担当:須田智晴
前回から予告していたように、今回は「無限」を扱う。
この概念は決して単純ではなく、安易に取り扱えば不合理を生む。
そのように危険な無限を数学はいかにして飼いならしたかを伝えるのが、
今回の講義の主なテーマである。
数学における無限の取り扱い方は慣れてしまえば単純であるが、発想の転換を要する。
その工夫を味わっていただければ幸いである。
さて、高校以来慣れ親しんでいる「実数」の概念と無限とは非常に深い関連がある。
このことを実感していただくため、実数が数学ではどのように定義されるのかも紹介したいと思う。
そこでのキーワードは「連続性」である。
講義の最後に、無限にも種類があるという驚くべき事実を紹介したい。
自然数も実数も「無限個」存在するが、後者のほうが圧倒的に「多い」のである。
このことを示すのはそれほど難しくはないので、時間があれば講義でもその証明を紹介したい。
今回は数学における無限の取り扱い方や
解析学の基礎である実数の定義の仕方を大まかに紹介しました。
言葉足らずな面が多々あり理解が難しかったかもしれません。
すみません。
極限の操作のように普段使っている言葉で説明すれば比較的簡単なものであっても、
それを厳密に定式化することは難しいということが伝わったならば幸いです。
最後に、前回の演習問題の解答を添付いたします。
今回お配りした演習問題の解答はまた次週に公開したいと思います。